社長インタビュー

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企業の「CIO力(=経営戦略に則って道具であるITを全社的に使いこなし、IT投資効果を創出する能力)」を向上させ、企業の成長と発展に貢献したい

代表取締役社長兼CEO 鈴木 浩之

代表取締役社長兼CEO
鈴木 浩之

「IT」とは情報を活用するための道具。これからの企業には「ITを経営に活用する力」が必須になる。

アーケイディア・コンサルティング(以下アーケイディア)さんの業務内容は「ITコンサルティング」と言うことですが、そもそもITとは何を指すのでしょう?「IT=コンピュータやインターネット関係のことだろう」と、漠然としたイメージはあるものの、使う人によって定義が異なる曖昧さを感じます。アーケイディアさんが言うITの定義を教えてください。
いろいろな意味でITという言葉が使われています。我々はITとは「情報を活用するための道具」であると定義しています。例えば、ファックスや携帯電話だってITなんですよ。
なるほど。極端に言えば、ダイヤル式の黒電話だってITと言えばITなんですね。では次に、ITコンサルティングとはどんなことをするのか、アーケイディアさんの業務内容について教えていただけますか?
日本では「コンサルティング」という言葉の定義が広義かつ曖昧で分かりにくいですよね。この言葉がぴったりアーケイディアの仕事を表現できているのかどうか(苦笑)。とにかく、我々のコンサルティングを一言で言うと「お客様企業が自主自律で経営とITをつなげられるようになるためのお手伝い」です。
今まで、「人」「物」「金」の3つが経営資源だと言われていました。しかし最近、第4の資源として「情報」が新しく加わりました。経営というのは結局、「人」「物」「金」をうまく循環させることですが、この3つの資源が円滑に回るようにするのが「情報」という第4の資源なのです。
ただ、「情報」というのは無形データですから、これを経営資源の「接着剤・潤滑油」として機能させるには、道具、つまり「IT」が必要です。そして、我々がお手伝いするのはまさにこの部分へのご支援・ご指南なのです。どんな道具もそうですが、詳しい知識がないと、どの道具を選べばいいのか、どの様に使えばいいのか、判断できないですよね。お客様企業の立場からIT活用を推進し、必要となる仕組みを整え、さらには自主自立でCIO力を発揮できるように次世代人材をコーチするのが、我々の仕事です。
言ってみれば、顧問弁護士や顧問税理士のIT版なのですね。お客さまの立場に立って、どうITを活用したらいいか相談にのってくれる…。
まさにそんなイメージです。ただ、法律や税務と違ってITに関しては、「自分たちでも使いこなせるだろう。道具さえあれば何とかなる。」と思っている方が大半です。しかし実際には、IT業者が提案する商品が自社に適切かどうか判断できなかったり、IT業者を使いこなせなかったり、道具を使いこなすための仕組み(組織・制度)がなかったりする会社が非常に多いのが現状です。そして、このようなミスマッチなIT投資は、結果として期待された効果を享受できていないケースがほとんどです。
「ミスマッチなIT投資」というのは、ハイスペック過ぎるものを導入してしまうと言うことですか?
そうですね、戦略がそもそも欠落していたり、ハイスペックさを使いこなすだけの「心・技・体」が備わっていない、と言うことです。ゴルフで言うと、心の底から上手くなろうと一念発起したり、上手くなるために練習したり、練習を支えるための基礎体力作りをしないと、いくら高価なクラブを使ったところで、一向に上手くなりませんよね?
確かに高価なクラブを自慢している人にゴルフの上手い人はいないかも(笑)。
上手くならないだけならまだしも、結局何度もクラブを買い替え続けて大して上達しなかった人は「ゴルフってスポーツじゃないね」とか、「ゴルフなんて、所詮人との交流の場だね」と、誤解や不信感を抱いてしまうんです。そして、「心・技・体」を備えてゴルフを適切にプレーすれば得られるメリットを得られなくなってしまう…。
これは極端な例えですが、このような事例がIT活用においては起きているんです。例えば「高額な経理システムを導入したのに、会社の規模や目的に合っていないから逆に不便になるどころか、不具合等により経理業務に支障をきたす」などですね。
ゴルフは皆さんそれなりに勉強されているので、ITに比べ活用する力は高いのですが、ITは会社組織で使う道具であり、組織間、道具間での連携もあり、より複雑ですから、より難易度が増します。しかし、現状では社内にそのような適切な活用方法を判断できる専門家がいないから、IT のミスマッチが起きているんです。

経営戦略とITのミスマッチをなくしたい。そのために、ITサービス業者とは提携せず、中立の立場であり続ける。

鈴木さんがおっしゃるIT活用の専門家というのは、ITに関する技術に詳しい人とは違うんですか?
そうですね、一般的にITに詳しいというと、ITに関する技術的な事に詳しい人をイメージする方が多いようです。また、そういった方はIT活用についても詳しいと思われがちです。もちろん、技術的に詳しい方も重要ですが、「経営戦略に則って道具であるITを全社的に使いこなし、IT投資効果を創出する能力」が必要になってきます。
実は我々は、この意味でのIT活用の専門家の長を「CIO(最高情報責任者)」と定義し、その能力を「CIO力」と言っています。日本の企業でCIOがいる企業はまだ少ないですし、認知度もまだ低いです。しかし我々は、CEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)と同じように、企業が「情報」という経営資源を最大限活用するには、CIO(最高情報責任者)の存在が必要です。ただし、存在自体が重要なのではなく、CIO力を自社の身の丈に合わせ、身につけることが重要だと考えています。
現状は企業の中にCIOがいないから、アーケイディアさんがCIOの役割をしてあげている、と言うことですね?
分かりやすく言うと、そういうことですね。ただ、我々は「お客さまに“自律”してもらうこと」がとても大事だと考えています。ITと言ったら、経営の核の部分でもあるのに、それを外部の会社である我々がいないとどうにもできないなんて、長期的に見たらお客さまのためになりませんよね。ですから我々は、最初は我々が入るけれど、将来的には我々がいなくても回るようにする、「お客さまに“自律”してもらうこと」をとても大切にしています。
自律してもらうために、具体的にどのようなことをされているんですか?
まず、一般的にコンサルティングと言うと、専門的な知識や方法論を使ってこうすべきだと指導する「上から目線」イメージがありますが、我々はお客さまと同じ立場で一緒になって、問題を解決するコーチングやファシリテーションの姿勢を大切にしています。
つまり「一方的に教える、指示する」のではなく、「お客さまができるようになるために導く」スタイルのコンサルティングをしています。もちろん専門家としての視点でもアドバイスはしますが、お客さまが理解し、納得できるまでとことん会話をします。
ちょっと意地悪な質問ですが、会社として考えたら、お客さまに自律されるより「アーケイディアさんがいないと回らない」という丸投げ状態の方が良いんじゃないですか?
(笑)。確かにその通りで、ビジネス的にはそちらの方がオイシイかもしれません。でも、それはお客さまとの間に健全な関係が構築できていないですよね?ある意味、永遠に我々に依存することになってしまうわけです。第4の資源と言っているのにです(笑)。
他のコンサル会社ではアーケイディアさんと同様のサービスを提供していないのでしょうか?
表向きはお客さまのために・・・と言って、様々な相談にのってあげたり、アドバイスをしている会社は多いです。しかし、最終的には自社の利益誘導のために、IT導入の企画を立てたり、自社の製品・サービス導入につながる提案をすることが多いのが現実です。しかし、これはIT提供会社からしたら致し方ない話です。自社の利益を優先して考える必要があるからです。
我々はお客さまに対しての不義理や本意でない提案をしないためにも、製品・サービスを販売しないニュートラルな立場を貫き、お客さまの立場での目線がぶれることない環境を維持しています。

企業の「CIO力(=経営戦略に則って道具であるITを全社的に使いこなし、IT投資効果を創出する能力)」を向上させ、企業の成長と発展に貢献したい。

先ほどお伺いしようと思ったんですが、鈴木さんがアーケイディアを立ち上げた理由というのも、その辺にあるんですか?
はい。今お話したように、「本当はこのお客さまの腕前だったらこんな高価なクラブは必要ないのに・・・」と分かっているのに、安価なクラブを薦められない、その結果、お客さまは高価なクラブを買ってしまって、結局ゴルフは相変わらず上達しない・・・。正直、時々そういうケースがあるのも事実です。でもやっぱり、それは気持ち良くないんですよね。それで、「本当にお客さまの立場、視点でIT面から経営をサポートしたい」と思ったんです。
今の日本企業では、ITを道具として使いこなすという発想が少ないんですよね。アメリカだと、ITは道具に過ぎないと考えていて、「この道具をどう使いこなすか?この道具でもっと何ができるか?」という発想があるんですが、日本の企業は、今やってることを単にITという道具に置き換えるだけだったり、そもそも正しくない道具の使い方をしている感があります。
経営をよりよくする道具としてITを使いこなせれば、企業の可能性はもっと広がりますし、発展できるはずです。ITを使いこなせていない企業に、ITをもっともっと経営に活用してもらう、そのためのサポートをしたい。そういう想いでアーケイディア・コンサルティングを設立しました。
なるほど、だから「お客さまに“自律”してもらうこと」を大切にしているんですね。では最後に、アーケイディアさんのビジョンや目標などがあったら教えていただけますか?
はい。我々は企業の「CIO力」を高めたいと考えています。
「CIO力」というのは先ほどもお話しましたが、「情報」という第4の資源を経営に活用するための力です。日本ではCIOの普及が遅れていますが、将来的には、どの企業にもCIO(最高情報責任者)が当たり前にいるようにしたいと考えています。
そして、理想としては「アーケイディアの社員をうちのCIOにしたい」、そう言っていただける会社にしたいです。(了)

インタビュアー/構成/文:(有)3way