株式会社アルバック様導入事例

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「今の会社にとって本当に必要なものは何か?中立的立場で一緒に考えてくれる。それでアーケイディアにお願いしました。」

大手コンサルティング会社と並行してアーケイディアにもご依頼くださったアルバック様。アルバック様はなぜ、超大手とアーケイディアと両方のコンサルティングを受けているのか? アーケイディアに何を期待し、どんな効果があったのか? 内部統制全体の指揮をする高橋様、IT統制の責任者名和様、IT統制の現場の責任者行本様に生の声を伺いました。

経営企画室 内部統制推進室 室長 高橋信次氏
生産技術開発センター センター長 名和浩之氏(写真右)
生産技術開発センター 情報システム部 部長 行本淳氏 (写真左))

アルバックさんの事業内容と企業規模を数字で教えていただけますか?
名和センター長 : 私どもアルバックは、真空技術を使った総合メーカーです。主に産業用の設備をつくっています。一番代表的なのは、液晶テレビをつくるのに欠くことのできない設備です。あとは半導体や今注目されている太陽電池をつくるための設備、ハイブリッドカーなどで使用する高性能の電池をつくる設備などを産業界に提供しています。
企業規模は日本全国に35の関連子会社があり、従業員数は本社単体で1,608名、グループ全体だと6,073名になります。
アーケイディアとの関係をお伺いします。アーケイディアと初めてお会いになった時期とその時の印象を教えてください。
名和センター長 : 初めて会ったのは2年位前です。印象は、「非常に珍しい分野の仕事をしている会社だなぁ」と感じましたね。と言うのは、アーケイディアはITのシステムサプライヤーではなく、我々サイドの代理人と言うか、我々がシステム屋さんと対等に戦っていくために助けてくれる会社なんです。それまでそういう会社に会ったことがなかったので。あとはまぁ、小さい会社だな、と言うのは印象と言うか、初対面ですぐに分かったことですね(笑)。
それで、すぐに仕事を依頼されたんですか?
名和センター長 : いえ、発注したのは最初にお会いしてから約1年後です。それまでは時々お会いして雑談をして…と言う感じでした。
1年間何もなかったのに、どうして仕事を依頼することになったんですか?
高橋室長 : 一番大きな理由は、アーケイディアは日本の内部統制、J-SOX法の元になったアメリカのSOX法に詳しかったからです。というのもその頃、弊社においても内部統制構築の整備をする必要が出てきたからです。当時は内部統制をしなさい、という大枠の決まりはできたものの、なかなかきちんとした詳細な基準が発表されていないので、企業としてはどうしたらいいか分からないわけです。世の中全体が手探り状態で。しかし、やらなくてはいけないことは決まっている。期限も決まっている…。そんな状況だったので、外国の事例でもいいから経験がある人に、うちの事情を全部知ってもらって、経験や知識を生かして判断してもらうことが必要だったんです。
内部統制のサポートをする会社や、アメリカのSOX法に詳しい会社は他にもあると思うんですが、アーケイディアに頼んだのはどうしてですか?
高橋室長 : アーケイディアは、システムを売ってる人たちじゃないからです。大体他の会社さんって、内部統制をキーワードに様々なシステムを販売していて、いくら相談しても結局最後には「これどうですか?」と言う話が控えてるんですけど、アーケイディアは自分たちがソフトやシステムを売っている会社じゃないから、「これ買ってください」がないんですよ。だから、本当に我々側に立って、「今のアルバックにとって本当に必要なものは何なのか?どうするのが一番いいのか?」ということを中立な立場で我々と一緒に考えてくれる。そういう意味では他のコンサルティング会社に比べて、より、うち側に立っていただけるわけです。それでアーケイディアに支援していただくことにしました。

「むしろ、大手一本で契約していることに不安とか躊躇があったんです。」

第1印象で「小さい会社だなぁ」と感じたアーケイディアに依頼することに不安や迷いはありませんでしたか?
名和センター長 : というか、実はうちは、アーケイディアの他に、内部統制全体に関して大手さんのコンサルティングも受けているんです。でも大手さんのコンサルティングと言うのは、決まったソリューションがあって、その中に我々がどう合わせていくか、と言うことになるんですね。また、大手さんは多くの場合、IT企業さんがやっているんですよ。ですからIT企業のコンサルティング事業部が、そこの会社の製品を使う前提でコンサルをしていくケースがとても多いんですね。まぁ私たちはそこのITシステムは買わないで、コンサルティングだけ受けているんですけど。
でも、我々の現状や方向性を理解した上で、より我々に合った提案や解決策を期待したいと考えて、大手に並行して、小さな専門部隊であるアーケイディアの指導を受けることにしました。ですからむしろ、私たちは大手一本で契約していることに不安とか躊躇があったんです。超大手だけでは不足する部分を補う意味でアーケイディアを選択しました。
現在はどんな形でコンサルティングサービスを受けているんですか?
行本部長 : 本社及び、連結対象の子会社35社のIT統制を支援していただいています。今、子会社では「IT統制って何?何をすればいいの?」と言う状態なんです。その彼らに対して、きっちりとした目標を立て、なおかつモチベーションを維持しつつ一つ一つ達成させ、IT統制をきちんとできている状態にする。そういう活動を、事務局として行っているんですが、私が事務局長のような感じで、アーケイディアが副事務局長のような感じでサポートしていただいています。
IT統制と言っても、本社の規模に求められている統制レベルと、子会社の規模に求められる統制レベルは違うんですね。さらに子会社の中には中堅から零細企業に分類される企業まで様々な規模があります。全社同じレベルで統制したのでは費用ばかりかさんでしまって全然メリットがでてきません。その会社その会社の身の丈にあった統制をするのはどうしたらいいか、その会社として一番利益に貢献でき、そしてグループ全体として統制がとれるのはどの辺りか?その、ちょうどいいところを狙いながら、グループ全体のIT統制を行っていく。そういう活動を事務局チームの1メンバーとしてやってもらっています。
アーケイディアに頼んで良かったのはどんなところですか?
名和センター長 : IT統制と言うのはあるべき論で言ってしまうと、誰でも高いレベルを求めるべきものです。しかし高いレベルになると当然、その分色々な投資や運用のコストがかかってきます。我々も利益を出さないといけない「企業」ですから、「出来る限り高いレベル」かつ「利益をしっかり出すライン」のバランスをとることが重要になるんです。
その部分に関してアーケイディアは、我々の今の現状をしっかり理解し、それを踏まえた上でどういう解決をしていけばいいかというのを、我々と一緒に考えてくださる。その点は大手のコンサルティング会社にはない部分であり、頼んで良かった点だと思っています。

「私はアーケイディアをコンサルティング会社だと思っていないんです。だから最初はよくぶつかりました(笑)。」

コンサルタントを導入することに対して、社内で抵抗などはありませんでしたか?
名和センター長 : それはないですね。アーケイディアは教壇の上に立って、あーだこーだと能書きをたれるコンサルタントじゃないんです。さっきも事務局長の行本が「事務局の1メンバーとして支援してくれている」と言いましたけど、本当に「一緒に仕事をやっていく」形なんです。その中で我々の足りないところを補ってくれるというのが、今のアーケイディアです。ですから社員にしてみたら、頼りがいのある兄貴分メンバーと言う感じで一般的なコンサルタントに対する抵抗のようなものはなかったです。
と言うか、私はアーケイディアをコンサルティング会社だと思っていないんですよ。だから最初はよく私がアーケイディアとぶつかりましたね(笑)。
「ぶつかった」と言うのは?
名和センター長 : 一般的には「コンサルタントはぐいぐい引っ張っていくもの」と言うイメージがありますよね。しかしアーケイディアは一方的にビシビシ答えを出す感じではないから、それに対して「それじゃコンサルタントじゃない! どこがコンサルタントだ!」とぶつかりました。でもね、徐々に分かってきたんですけど、コンサルタントにも2種類あるんですよね。例えば流通業などの分野では、実務の経験もあり成功実績もあり、「答え」が分かっているコンサルタントがいます。それでどんどんこうあるべきという正解を出してくる。しかしIT分野のコンサルタントというのは、若くて、特定の業種の経験は少ない。例えばIT分野のコンサルタントで製造業をやってきた人なんていないですよ。でも、彼らはITマネジメントコンサルティングの分野に関しては詳しい。例えばSOX法についてとか。
で、この新しい分野のコンサルタントは、「ぐいぐい引っ張っていく先生」と言うよりも、我々クライアント側と協力して、一緒に答えを探し、実行してくれる存在なんですよね。それに気づいてからはぶつからなくなりました(笑)。

2008年6月18日インタビュー実施 【インタビュアー/構成/文:(有)3Way】

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