「進行中のシステム開発に対して、ITの専門知識を持った人に参加してもらい、適切なアドバイスを受けたいと考えていました。」
(映像本部 相原部長)
「大規模なシステム開発の途上で、社内システム人員が急遽長期離脱することとなり、専門知識を持つ人材が不足するという状況が発生。そこで、アーケイディアさんへ依頼することになった」という松竹株式会社様。松竹様は数あるコンサルティング会社の中からなぜアーケイディアを選んだのか? どのような効果があったのか? 3名の担当者様に伺いました。
映像本部 映像統括部長 相原信明氏
管理本部 システム室長 山下良則氏(写真右)
管理本部 システム室 井川甲作氏(写真左)
- 松竹さんの事業内容について教えてください。
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相原部長 : 1.映画・2.演劇・3.事業(事業及び不動産)を柱としています。今年で創業113年目となりました。会社の体制としては、それにバックオフィスを行う管理部門を加えて、4本部構成となっています。
- 会社の規模について、数字で教えてください。
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山下室長 : 連結で、売上はおよそ1,000億円、従業員数が1,300人程度です。
- 早速ですが、アーケイディアとの関係をお伺いします。そもそもなぜ、アーケイディアに仕事を依頼することになったのでしょうか?
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相原部長 : ご相談したのは1年半位前です。当時1つのシステム開発の途上にありましたが、弊社のシステム室の要員が継続的に参加出来ないことになり、急遽、社外に専門家の参加を求めることになりました。何社かご紹介頂いた中の1社が、アーケイディアさんで、ご協力をお願いした次第です。
- 外部の人を頼むと経費がかかりますよね?経費を出してまで専門家に頼む必要があったのでしょうか?
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相原部長 : システム開発を進める上で、我々ユーザーは、専門家であるベンダー(=システム開発会社)と共に、開発に対して、適切な理解と、判断をして行かなければなりません。そのためには、ユーザー側に専門知識のあるメンバーがいることが不可欠です。従って、内部で無理なら、外部から専門家を招聘することは必要なコストだと考えました。
- アーケイディアのことはどうして知ったのでしょうか?
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相原部長 : 弊社の人事課より紹介してもらいました。
- アーケイディア以外の会社も検討されましたか?
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相原部長 : 検討しました。しかしながら予定が大幅に遅れており、てこ入れを急いでいましたので、比較的早い段階でアーケイディアさんにお願いしました。
山下室長 : 補足しますと、大きいプロジェクトを頼む時には安全をみて大きい会社に頼む、と言う方法もあります。でも、今回のような、言ってみれば人のアウトソースのような時に大事なのは“来てくれる人”なんです。会社じゃないんですよ。アーケイディアさんに早い段階で決定したのは、手間を省くためではなく、たまたま最初に来てくれた担当の人が良かったから、他に聞く必要がなかったのです。
「正直なところ、最初から全面的に信用していたわけではありません。短期間の契約で様子を見させていただきました。」
- アーケイディアは2005年設立で、まだ歴史が浅い会社だと思うのですが、その辺の不安はありませんでしたか?
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井川氏 : 最初から全面的に信用していたわけではありません。いきなり大きな投資で1年契約ということではなく、一緒に働いてみて様子を見させていただくという形を取りました。ですから、最初は試用期間という位置付けで3ヶ月くらいの契約からスタートしています。
相原部長 : 大事な局面だったので、「これなら継続してお願いして大丈夫だ」と言う感触を得、引き続き契約をお願いしました。
- アーケイディアさんに継続してお願いしていて大丈夫だと言う感触」というのは具体的にはどんなことですか?
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相原部長 : はじめてベンダーさんとの打合せに入って頂いた時、専門家の切り口で我々ユーザーの立場に立ってきちんと発言して下さったことがとても印象に残っています。その後、正式にアーケイディアさんが開発会議へ参加し、「どのように理解」し、「どういう方向へ進むのがよい」か、一緒に作業をしながら、おおよそ弊社の希望にそったサポートをしてもらいました。
「アーケイディアさんが、誠実に、一緒に作業しながら、弊社の希望にそったサポートを行ってくれたことを、評価しました。」
- 一般的に“コンサルタント”と言うと、「外の人間が偉そうに無責任に、上からものを言うだけ」と煙たがられる場合もあると思うのですが、現場からの抵抗はありませんでしたか?
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井川氏 : アーケイディアさんには「外部のコンサルタント」と言うよりも「松竹に足りないIT専門知識がある人材を、パートタイムでお願いした」という感じだったので現場の抵抗はありませんでした。一部ではコスト負担に関する不満の声もありましたが、アーケイディアさんが、小さい仕事であってもその都度一つ一つこなして結果を出してくださっているので、その苦情もなくなりました。今ではむしろ、今後もいて欲しい、という感じになっています。先生的なコンサルタントではなく、我々と一緒に必要な作業までやってくださるので、そこが評価されているところだと思います。他のコンサルタントよりも柔軟というところですね。
「コンサルティング会社を選ぶ時に大切なことは、社名にこだわらないことです。社名が仕事してくれるわけじゃないですから。」
- 最後に、今後ITコンサルタント導入を検討している企業さんに対して、何かアドバイスがあればお願いします。
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井川氏 : アーケイディアさんに依頼しようか迷っている方へのアドバイスということですか?
- いえ、アーケイディアに限らず、ITコンサルティングを導入し、良い結果を出したいと考えている企業さんに対してです。あくまで中立的な立場でアドバイスをお願いします。
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井川氏 : 実際に仕事をするのは社名ではなく、来てくれる人間ですから「社名にこだわらない」ということです。コンサルティング会社は名前によって値段が大きく変わるため、費用においてもメリットとなります。
我々のような規模で、きちっとしたコンサルタントを1~2名欲しいという会社は、アーケイディアさんのようなところとお付き合いするのがよいのではないでしょうか。
逆に、沢山のコンサルタントが欲しいのであれば大手コンサルティングファームに依頼するのがいいと思います。もう1つのアドバイスとしては、我々ユーザー側(=クライアント側)がもっと勉強しないといけないということ。「我々に必要なものは何であるか?それを実現するにはどういう人が必要となるのか?」という見る目を養わないといけません。それが分からないと、どこを選べばいいか分からず、安全を取って高額なブランド会社に頼むはめになり、高くついてしまいます。 - ユーザー側の担当者さんはどんな勉強をして、どんなところに注意してコンサルティング会社を見ればいいか、ポイントを教えてください。
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山下室長 : いきなり長期で契約しないで、最初は3ヶ月位の短期契約をして、実際に仕事して様子を見ること。あとは、自分たちの目的は何なのか、整理してちゃんと伝えることです。松竹の失敗事例ですが、数年前に某外資系大手コンサルにお願いして全体のシステムづくりをやった際、松竹側は「ここに頼めば全部変わる」と思って、待っていたわけです。ところが実際には、コンサルタントが沢山きて、ブループリント(=設計図)だけ作って去っていってしまった。その紙に数千万円。
松竹にしてみれば「あの会社はお金だけとって何もしてくれなかった!」となるわけですが、コンサルティング会社にすれば「いい仕事をした」と思っているわけです。だから、こういうミスマッチが起きないためにも、自分たちのやろうとしていることと、相手(=コンサルティング会社)が提供してくれることがマッチしているか、確認することが大事だと思います。井川氏 : 「全部お任せ」ではダメです。自分たちに足りない部分を外部のコンサルタントに補ってもらいながらも「最後までやるのは自分たちだ」という感覚を持つことが、コンサルティング会社と上手に付き合うためには大事だと思います。
山下室長 : こう話すとITコンサルタントを頼むのは面倒くさいように聞こえますが、外のITコンサルタントの方に匹敵するレベルの社員を新卒から育てようとすると、何年もかかりますし、中途で採用すると言っても、社員にしてしまうと経営の都合で人員を減らしたい場合でもすぐに辞めてもらうわけには行きません。
ですから、必要な場合に応じてアーケイディアさんのような外部の専門家を上手に使うといいと思います。自社の規模と目的に合うところを、社名に惑わされず選べればコストに見合ったものが得られると思いますよ。まぁ、我々は当分、この先もアーケイディアさんにお願いしたいと思っていますけどね(笑)。
2008年6月5日インタビュー実施 【インタビュアー/構成/文:(有)3Way】